格安sim MVNO楽天モバイルの名前はたいていの方が聞いたことはあると思います。「楽天」のネームバリューは大きいですね。一方のIIJmioはあまり耳慣れない会社名かもしれませんが、ホームページを見るとインターネットの先駆けとして長い歴史を持ち、MVNOとして各方面からの評価が高いことを宣伝しています。顧客満足度三年連続1位は凄いですね。
会社としてはどちらも安心感を持てることは間違いありません。この大手MVNO両社をザックリ切り分けると、楽天ポイントなどの恩恵を活かしたい方は楽天モバイルです。しかし、IIJmioは全体的な料金が楽天に比べて安く設定されています。さらに、データ通信の利用制限がない点やバースト制度がある点、違約金が利用するほど減っていく点など、幾つかの点でもIIJmioが勝っています。
どちらにもメリットデメリットがありますので以下に詳述します。
両社の共通点
まずは両社の共通点です。料金設定がかなり似ています。料金プランを以下に載せてみました。
3GBプランはどのコースも両社とも全く同じ金額です。その上の容量になると楽天が5GB、1450円のところIIJmioは1520円で6GBに変更されています。単価で計算するとIIJmioが若干安いです。10GBプランに関しては楽天の圧勝です。300円以上違います。
そしてここで触れたいのが、IIJmioには「シェアサービス」がある点です。「シェア」とは契約プランは一つでも、もらえるSIMカードが複数というサービスです。具体的には3GBと6GBのプランは最大2枚、10GBは最大10枚貰えます。
10GBプランの場合追加SIMは3枚までは追加料金が発生しません。単純計算でSIM1枚につき月額850円ほどになり、そのうち1枚は4GB使え、さらには各SIMとも基本料は節約できる。10GBシェアプランはかなりお得です。楽天にはこの「シェア」サービスはありません。
それで、複数の端末で格安SIMを使いたい方や、家族で格安SIMを使おうとお考えの方にはIIJmioがオススメです。
もちろんこの10GBプランに関してはシェアをしないでSIMを一枚で使うつもりなら楽天がオススメです。
両社の大きな共通点をもう一つ挙げると、両社ともスマホとSIMのセット販売をしています。SIMフリースマホ選びには幾らかの知識が必要です。SIMフリースマホを今は持っていない、そもそもSIMフリースマホって何?という方には、SIMとの適合をしっかり保証してくれているスマホをお店側が提供してくれているこの2社は、格安SIMを安心して使い始める点でおすすめといえます。
両社の通話SIMの違い
タイトルにある通りこの2社はかけ放題通話サービスを提供している数少ないMVNOです。
楽天のかけ放題は、月額850円で5分以内の国内通話が何度でも無料になり、制限時間超過後は30秒ごとに10円となります。
一方IIJmioは、月額830円で5分以内の国内通話が何度でも無料になります。20円だけの違いに見えますが、IIJmioのかけ放題は家族との通話の場合は30分以内は何度でも無料になる点です。(家族かどうかはIDで判別します)
さらにIIJmioには、月額600円で3分以内の国内通話が何度でも無料、家族同士なら10分何度でも無料になるサービスもあります。こちらも、制限時間超過後は30秒ごとに10円となります。
両社とも普通に電話をすると30秒ごとに20円ですが、制限時間超過後30秒ごとに10円とするために、それぞれの会社が提供するアプリから通話を始める必要があります。
かけ放題に関して見てみると単純な格安さの点でもIIJmio、一回の通話が3分まででよければさらに安く済むのでやはりIIJmio。かけ放題を基準に考えている方はIIJmioに決まりです。
両社のデータSIMの違い
先に述べた通りデータに関しては、シェアがしたいならIIJmioで決まりです。一方10GBプランに関しては安さを求めるなら迷わず楽天です。
音声かけ放題サービスのある格安SIM MVNO比較まとめ記事
ここでIIJmioを推す幾つかのさらなるポイントをご紹介します。
一つは3日間制限が無い点です。週中はほとんどネットを使わないが、週末にyoutubeをたくさん見るというような、データ量の使い方に偏りがある方にはこの制限が結構煩わしくなります。以下で詳しく説明しますが、ここに該当する方は迷わず3日間制限が無いIIJmioをオススメします。
逆にラジコなどの低速サービスをたくさん使う方にはIIJmioはオススメできません。IIJmioは低速に関しては3日間制限を設けているからです。ここに該当する方は楽天になります。
IIJmioの売りをもう一つ挙げると、バースト機能がある点です。これは低速で使用している時にも、利用の最初だけ一時的に高速通信ができるという機能です。高速データ容量を節約するために普段は低速モードに切り替えておくことができます。
こうするとメールやWEBの閲覧の場合でもゆっくりになってしまうのですが、IIJmioはバースト機能があるので低速なのにストレスを感じることなくブラウジングができてしまうのです。実際に使ってみると意外に大事な機能です。
この点でもIIJmioはオススメです。
楽天の特徴 コミコミプラン
楽天モバイルでは、かけ放題プランにスマホ本体とデータ通信までが付いてくるという「コミコミプラン」が3種類も用意されています。
楽天モバイルコミコミプラン
コミコミプランS:月額1880円~でデータ通信2GB +普通のスマホ
コミコミプランM:月額2480円~でデータ通信2GB+ハイスペックスマホ
コミコミプランL:月額2980円~でデータ通信4GB+ハイスペックスマホ
このサービスの機種の中にお好みのものがあれば、通常よりも割引価格で手に入れられますので楽天のコミコミプランが魅力的になります。
注意点ですが、プランSのスマホはスペックが少し低いため、ゲームなどをするには少し厳しいようです。このように用途によってはせっかく2GBついている高速通信が生かせないこともあるようです。実際楽天が一般の方にオススメしているのはプランMです。
もうひとつ大きな注意点は、コミコミプランの24ヶ月縛りです。一般的に格安MVNO各社の設定は12ヶ月縛りなのに対して、これはかなり長い縛りです。最初から末長く付き合う気であれば問題ないですが、2年間使い続けないと違約金が発生するので注意が必要です。
ちなみに、楽天の音声付きプランだけを申し込んだ場合の縛りは12ヶ月で9800円です。
データプランに関しては両社とも違約金は定めていません。縛りなしです!
では、IIJmioはどうかというと楽天と同じように12ヶ月が過ぎるまでは違約金が発生するのですが、使用するほどにその金額が減っていきます。具体的には利用開始月の解約は12000円ですが、10か月経過後は違約金が2000円、11か月経過後は1000円というように1ヶ月過ぎるごとにその金額が1000円ずつ下がっていきます。
ですのでIIJmioは違約金の点でも楽天よりオススメということになります。
3日間制限
先に触れた点ですが、高速データ通信速度を保つため、たいていの格安MVNOは3日間の速度制限を設けて、制限超過後はメールができる位の低速でのみ利用可能としています。
楽天も同様で、データごとに3日間制限を定めており、5GBプランは1GBで、10GBプランは1,7GBで制限をかけるとしています。1,7GBとは高画質でyoutubeを2時間も見れば行ってしまいます。
例えば、週末にのんびり映画でも見たいという方は土曜日だけで容量を超えてしまいせっかくデータの容量は残っているのに日曜日は高速通信ができないということも起こりえます。
それで3日間制限がないIIJmioは数日の間に一気にデータを使うような方にも使いやすいといえます!
使える貯まる楽天ポイント
楽天の大きな売りは「楽天スーパーポイント」です。楽天市場で有名ですね。
楽天モバイルの基本使用料と端末の一括払いにポイントを使うことができ、楽天モバイルで利用する金額100円につき1ポイントの楽天ポイントが貯まります。(ただし端末の分割払いやオプション料金にはポイントでのお支払いができません。ポイント付与に関しても端末代金や事務手数料などが対象外となります。)
この点を考えると、普段から楽天市場を頻繁に活用する方や、すでに楽天カードを持っている方には楽天モバイルもオススメです!
結論
基本的なプラン料金を見るととても似ている大手2社です。業界でも数少ないかけ放題サービスを提供している点でも似ています。それでもじっくり見てみるとずいぶん違いがあることに気づかれたのではないでしょうか?
かけ放題にも2種類のプランを用意している点、3日間制限がなかったり、バースト機能があったり、シェアができる点、さらには違約金もかなり割安な点などIIJmioは多くの点でオススメです。
一方で、楽天市場などを普段から活用している方、2年縛りがあってもコミコミプランが良いという方などには楽天SIMをオススメします。