これまで格安MVNO同士を数社比較してきてとにかく感じるのは、かけ放題プランの提供を開始してからの「楽天モバイル」の圧倒的な強さです。

ところが今回、不動のその立場が崩れるかも知れません。それを果たすのがDTI SIMです。

格安SIMとしてどちらがご自分のニーズにピッタリ合うかこの記事で是非見比べてみてください。

両社の共通点

まずは両社の共通点ですが「かけ放題プラン」をどちらも用意しています。これがあれば大手キャリアから格安SIMに移らない理由がほぼなくなりますが、今のところかけ放題を用意している会社はそれほど多くはありません。しかし業界に先駆けて楽天モバイルがかけ放題を始めてから、少しずつそのあとに続く会社が出始めました。DTI SIMもその一つです。

かけ放題に必要な音声SIMは、両社とも12ヶ月間の最低利用期間があり違約金が9800円という点も共通しています。

両社のかけ放題

楽天のかけ放題は、月額850円で5分以内の国内通話が何度でも無料になり、制限時間超過後は30秒ごとに10円となります。
DTI SIMのかけ放題は、月額780円で5分以内の国内通話が何度でも無料になり、制限時間超過後は30秒ごとに20円となります。

楽天モバイルの特徴

この2社を比較すると、楽天の売りは選択できるスマホ機種の多さとなります。そして楽天モバイルには、かけ放題にスマホ本体とデータ通信までが付いてくる「コミコミプラン」が3種類用意されています。

コミコミプランS:月額1880円~でデータ通信2GB +普通のスマホ
コミコミプランM:月額2480円~でデータ通信2GB+ハイスペックスマホ
コミコミプランL:月額2980円~でデータ通信4GB+ハイスペックスマホ

この他にも楽天は大手キャリア並みの豊富な機種バリエーションを用意しています。
一方のDTI SIMには機種はありません。スマホ本体に関してはご自分でご用意頂く必要があります。
楽天のセット割の機種の中にお好みのものがあれば、通常よりも割引されたセット価格で手に入りますので楽天のコミコミプランは魅力的になります。
追加でもう一点注意点です。
楽天のコミコミプランの料金は契約後2年目に一旦値上がりします。
コミコミプランS:月額1880円が、2年目は2980円に。3年目は2446円に。
コミコミプランM:月額2480円が、2年目は3480円に。3年目は2230円に。
コミコミプランL:月額2980円が、2年目は3980円に。3年目は2613円に。
この様に1年目はサービス価格、2年目は機種代金の残債込み価格、そして3年目に本格的なお得プライス提供となっています。2年目の料金も業界内の同等プランと比較してそれほど高額なわけではありませんので、個人的には末長いお付き合いをしやすい料金設定な感じがします。

DTI SIMの特徴

DTI SIMの強さを一言で言えばその価格です。格安SIMですからMVNOは各社ともにここをなんとかしようと躍起です。つまりそもそも各社ともに一定の格安さはクリアーしているのです。しかしDTI SIMはこの重要な点で楽天を凌駕します。
以下で実際に比較してみます。
DTI SIM:1GBプラン  (カッコ内は楽天の同等プラン料金です) 
データSIMのみ月額600円 
データSIM+音声SIM月額1200円   
データSIM+音声SIM+かけ放題月額1980円
( 楽天:コミコミプランS:月額1880円 )
1GBプランに相当するプランが楽天にはないので比較ができませんが、それほどネットを使わず5分以内の通話が多いという方は楽天のコミコミプランもありかもしれません。上述の通りセットされるスマホが頼りないですが、ネットのヘビー利用をされない方であれば十分な性能の機種です。しかもDTI SIMよりも100円安く済みます。もちろん1年目に限った話です。2年目はもちろん、3年目も月額2446円とDTI SIMに比べて割高になります。
DTI SIM:3GBプラン   
データSIMのみ月額840円(900円)
データSIM+音声SIM月額1490円(1600円)  
データSIM+音声SIM+かけ放題月額2280円(2450円)
(楽天:コミコミプランM:月額2480円)
3GBになるとDTI SIMが安いことがハッキリ表れてきます。先に触れた通りそもそもが格安SIM業界ですので、たかが10円の違いが、されど10円の違いとなります。
かけ放題になるとDTI SIMが200円安くなります。楽天はその分スマホ本体が付いてきますが機種は選べません。機種を自由にえらべて200円安いことがDTI SIMの売りとなります。
ちなみに楽天のコミコミプランはデータが2GBです。
DTI SIM:5GBプラン   
データSIMのみ月額1220円(1450円) 
データSIM+音声SIM月額1920円(2150円)    
データSIM+音声SIM+かけ放題月額2200円(3000円)
(楽天:コミコミプランL:月額2980円)
だいぶ差が出ます。かけ放題で800円の差。しかも楽天はデータが4GBです。もちろんスマホ本体はついてきますが。
DTI SIM:ネット使い放題プラン   
データSIMのみ月額2200円(2260円) 
データSIM+音声SIM月額2900円(2960円)   
データSIM+音声SIM+かけ放題月額3680円(3810円)
楽天にはデータ使い放題プランがないのでデータ10GBプランで比較しています。値段に差はほとんどない感じですが、この比較が気になるようなヘビーユーザーの方々には10GBと無制限の差も大きいのではないでしょうか?

このサービスを提供している会社は業界内でもほとんどありません。(おそらくここだけです)

使える貯まる楽天ポイント

かなり楽天を斜めに見てきたので楽天の強みもご紹介します。それが「楽天スーパーポイント」です。かなり有名ですね。
楽天モバイルの基本使用料と端末の一括払いにポイントを使うことができ、楽天モバイルで利用する金額100円につき1ポイントの楽天ポイントが貯まります。(ただし端末の分割払いやオプション料金にはポイントでのお支払いができません。ポイント付与に関しても端末代金や事務手数料などが対象外となります。)
普段の生活で楽天が身近な方々はここも外せない魅力ですね!

結論

楽天は全体的に見るとほぼ死角なしのMVNO王者的な存在です。実際DTI SIMと比較してもスマホ本体がセットになる分お得感が上回っているようにも見えます。それでも、個々のプランの料金はDTI SIMの努力が楽天を明らかに凌駕しています。価格競争の熾烈なこの業界内で最大手を相手に十分渡り合っています。そこに正真正銘のネット使い放題などのサービスを用意するなど完全に王者と渡り合っています。
最後にもう一つだけDTI SIMの難点をお知らせします。それはMNPが5000円と若干高額な事です。楽天は一般的な3000円です。格安SIMは乗り換えも結構しがちですので見過ごせない欠点かもしれません。
さらにもう一点。しつこいですね…かけ放題は両社とも5分までですが、超過後は楽天は30秒10円ですがDTI SIMは30秒20円です。しかし楽天のこの料金は通話のたびにアプリを使ってかけることで得られる恩恵です。そんな手間のことも覚えておけるかもしれません。