
auのADSL回線サービス「ADSL one」が一部地域でサービスを終了するようです。理由は対象地域において「ADSLサービスのご利用者が年々減少しており、今後もこの傾向は継続していくと想定される」からとのことです。
ADSL回線は光回線に比べて速度は劣るものの、料金の面では低価格で利用できました。高速通信は必要なくネット代を安く済ませたいという方にとってはリーズナブルなサービスです。ADSL one の終了が決定したエリアにはその旨の通知がなされるようですが、同時にWiMAX2+への乗り換えをすすめられるようです。
これまで固定回線でADSLを使ってきてモバイルルーターのWiMAX2+へ移行しようか検討している方も多いと思います。WiMAX・WiMAX2+への乗り換えは速度、料金、サービスの点でADSLよりも優れてるといえるのか比較してみました。
速度比較
ADSL one のサービスを例として比較してみます。数値は最大速度です。
ADSL one50→下り50Mbps/上り5Mbps
ADSL one30→下り30Mbps/上り1Mbps
WiMAX→下り40Mbps/上り15.4Mbps
WiMAX2+→下り110Mbps/上り10Mbps
ADSLよりもWiMAX2+の方が通信速度は高速です。WiMAXも下り速度はADSL並みですが上り速度は上回っています。ADSLは基地局からの距離に応じてスピードが下がりますが、WiMAX・WiMAX2+も電波を受信しているため基地局からの距離や建物など障害物でスピードが下がります。自宅でWiMAX・WiMAX2+を利用する際には実際の速度をあらかじめチェックしておくことをお勧めします。無料レンタルサービス「トライWiMAX」を利用してWiMAX端末をレンタルしスピードチェックをすることができます(残念ながらWiMAX2+機器はありません)。
料金比較
続いてそれぞれの月額費用を比較してみました。
ADSL one50→5103円
ADSL one30→4389円
WiMAX→3880円(UQ) 1980円(楽天)
WiMAX2+→3880円(UQ) 3800円(GMO)
WiMAX・WiMAX2+は本家のUQコミュニケーションズの料金だけでなく格安の提携プロバイダの料金も載せました。提携プロバイダは機器や電波は同じですが月額料金や契約期間などが業者ごとに異なります。普通提携プロバイダのほうがUQよりも安いです。
料金面で比較してもADSLよりWiMAX・WiMAX2+の方が安いといえます。
サービス面での違い
モバイルネットプロバイダの多くは一定のデーター送受信量を越えた際に通信速度が遅くなるシステムがあります。
イーモバイルや多くの通信業者はこの「速度制限」を設けているためADSL回線のように通信量を気にせず使うことはできません。
WiMAXであればいくら使っても通信制限がかからないためADSL回線のように通信量を気にせずに利用できます。またWiMAX2+の場合は条件付きですが速度制限無しで利用できます。
WiMAX・WiMAX2+と固定回線との大きな違いは外に持ち出して利用することができるという点です。家でも外でも一台の小型ルーターでネットが利用できる点は節約にもなり便利です。
まとめ
単純に料金や速度などを比較するとWiMAX・WiMAX2+はADSLと同等かそれ以上の価値があるとみなすことができるかもしれません。ただWiMAXは建物内へ電波が通りにくい(他のプロバイダと比べて)といわれており、実際利用者のブログを見てると電波を受信しやすいように窓際にルーターを置いている方も多いように思います。またWiMAX2+サービスは始まったばかりで利用可能エリアが限定されています。WiMAX2+に加入したのに2+電波が飛んでいないエリアであればあまり意味がありません(WiMAX2+加入者はWiMAX電波も切り替えて利用できますが)。
乗換えが適切かどうかは利用者のネットの利用環境や電波の受信環境にもよるのだと思います。